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パパとママの歯周病治療

歯周病は細菌感染症ではありますが、実は生活習慣病的側面の方が大きい病気です。
ただ、歯周病の促進要因となる生活習慣は、子ども頃の親の“しつけ”や“暮らし方”の影響が大きく、お父さんやお母さんが歯周病に対して正しい知識を持ち、自身の歯を守ることで子どもの手本となることが大切です。
母から子どもへの歯周病菌感染は、むし歯菌ほど神経質になる必要はありませんが、かといって無頓着で良い、というわけでもありません。

一方、妊婦は歯肉炎・歯周病になりやすく、それが早産や稀に死産の原因になることがわかっています。
次のお子さまを考えておられる方は、その前に歯肉炎、歯周病をきちんと治しておく必要があります。
このページでは、そういう視点もふまえて、お読み下さい。

歯周病とはどんな病気?

歯周病の原因は?

歯周病は感染症です

歯周病 愛知 三重歯周病は、バイ菌が起こす病気です。
歯周病は薬だけで治るような簡単な病気ではなく、大変複雑な要因が複雑に関与しあって起こる、治療が難しい病気です。

歯周病のバイ菌は、夫婦間でうつることがわかっており、子どもにもうつることがある、と言われています。

出来れば家族揃って治療を受けていただく必要があります。
また、お子様に歯周病菌を感染させないためにも、症状が出る前から家族そろって歯周病菌のコントロールに取り組まれることを、お勧めします。

実は生活習慣病的側面の影響が大きい歯周病

バイ菌が感染すれば皆ひどい歯周病になるかといえば、そうではありません。
また、各個人に於いても、全ての歯が同じように歯周病が進行するわけではありません。
たとえば、歯周病菌に抵抗するための免疫力は生活習慣に影響を受けます。
その他にも、 歯周病を加速・悪化させる要因は数多くあります。
それが歯周病の治療を難しくしている要因です。

歯周病が進行すると、歯を支えている骨がなくなります

歯周病を起こすバイ菌の影響で、歯を支えている骨が吸収され、なくなってしまいます。
歯ぐきは多くの場合殆ど下がりません。
(末期になると歯ぐきも下がる場合があります。)

歯周病は、歯を失う原因の第一位です

抜歯 原因 歯周病 虫歯多くの方は、むし歯は結構気にしておられるにも関わらず、歯周病であることを自覚しておられません。

歯周病はむし歯に比べて症状が出るのが遅く、結果的に手遅れになり、歯を抜かなければならなくなってしまいます。

歯周病の症状

歯周病は『沈黙の疾患』とも呼ばれ、強い症状がなく進行します。
しかも重症になると治せなくなる場合があるので、少しでも何らかの症状を感じたら、きちんと歯周病を治せる歯科医院で検査・治療を受けるべきです。

歯周病には下図のような症状があります。
上に述べたとおり、本人が自覚するような症状がない場合も多いので、注意が必要です。

歯周病 症状 三重 口臭

歯周病と口臭

歯周病を起こすバイ菌は、VSC(揮発性硫黄化合物)と呼ばれる強い悪臭を発する物質を産生します。
これが口臭の原因となります。

VSCのうち、歯周病患者で検出されるのが『メチルメルカプタン』と呼ばれる物質です。
メチルメルカプタンは「毒物および劇物取締法」などの法律で毒物に指定されており、その毒性は青酸ガスに匹敵、あるいはそれ以上といわれています

もう一種のVSCである硫化水素も、人体に有害な毒ガスであることは、多くの方がご存じのことでしょう。

また、近年この物質が、歯周組織に悪影響をもたらし、歯周病を悪化させる因子となっている可能性が高い、との説が有力になってきています。

何れにしても、歯周病と口臭は「切っても切れない関係」といえるでしょう。

歯周病菌は、全身に悪影響を及ぼします

近年、歯周病菌が全身の病気に関わっているという報告が増えています。

心臓病

歯周病 歯槽膿漏 全身への影響 三重 四日市歯周病患者の心臓発作の確率は、健康な人の2.8倍も高いという報告があります。
これは、歯周病菌やその毒素が動脈硬化の誘因となり、その結果として心臓に悪影響を及ぼすのではないか、と考えられています。

脳卒中

歯周病患者はそうでない人に比べて脳卒中リスクが3倍といわれています。
これも歯周病菌の関与により動脈硬化が進行することが誘因ではないかと考えられています。

がん

歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、歯周病歴があるとがんになる可能性が全体的に14%高いとの結果が、ドミニク・ミショー博士(インペリアル・カレッジ・ロンドン)らによって報告されました。

それによると
「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」
と結論づけられています。

糖尿病

歯周病があると、それが産生する内毒素の影響によりインスリンの働きが妨げられ、血糖値のコントロールがしにくくなります。

誤嚥性肺炎

平成23年に日本人の死亡原因の第3位になった『肺炎』。
嚥下機能が衰えてくる高齢になると、お口の中の細菌が誤って気管に入ることが多くなり、免疫力の衰えた高齢者は肺炎を起こしてしまいます。
東日本大震災のあと、充分な歯磨きを出来なかったことでこの誤嚥性肺炎が増加したことは、記憶に新しいところです。

早産

中・重度の歯周病になっている妊婦では、歯周病菌が血液の中に入り、胎盤を通じて胎児に移行することが原因で、早産・低体重児出産のの危険が7.5倍も高いといわれています。
また、軽症の歯肉炎になっていた妊婦が発熱した際、お口の中の細菌が胎盤内に移行し、死産となった報告もあります。

その他

肺炎・肺気腫・気管支炎・喘息などとの関連が報告されています 。


どうやって治すのですか?

歯周病は簡単に治せる病気ではありません!

歯周病 三重県歯周病の治療は、真剣に取り組めば取り組むほど、その難しさを痛感し、『歯周病は治らない』と断言する歯科医師も、少なくありません。

一方、重度の歯周病になった患者さんが、数十年進行せず、歯を1本も抜かなくてすんだ症例が、報告される場合があります。

歯周病治療で有名な先生には、以下のような様々なタイプが存在します。

・ 再生療法と呼ばれる手術を多用する先生
・ 切除療法と呼ばれる手術を多用する先生
・ 歯磨き指導と歯石取り・メインテナンス(非外科)のみで対応する先生
・ メインテナンスと称し、クリーニングを繰り返すことを最重要視する先生
・ クリーニングより、歯磨き指導を徹底することが重要、と主張する先生
・ さっさと抜いて、インプラントにする先生
・ 薬を使用する先生
・ 歯磨きや歯石取りだけでは治らないので、毎朝小松菜ジュースを飲むことにより、体質改善を図ることを奨励する先生
・ 次亜塩素酸が主成分の機能水を使って、細菌を激減させようとする先生
・ アロマを利用し、細菌数の減少等を図り、歯周病治療を支援しようという先生
・ サプリメントの応用により、お口の中の悪玉菌を抑制し、歯周病を改善しようと試みている先生
                                   etc

では、いったいどの先生の治療が正しいのでしょうか?
答えは・・・どれも正しくないと言えるし、どれも正しいとも言えます。
つまり、答えがないのです。

ただ、一つ言えることは、定期的にクリーニングをしただけでは、歯周病菌のコントロールは出来ず、多くの患者さんを救うことは出来ません
歯周病治療に長期にわたり真剣に取り組んでいる先生であれば、的確なホームケア(歯磨きなど)が必須であることを、必ず強調されます。
(若い先生の中には、そのことに気付いていない先生もおられるのかも知れません。)

また、『歯周病は薬で治る』『歯周病が薬で○○%完治する』などの誇大広告が見受けられますが、歯周病は薬だけで『完治』することはありません

さくら総合歯科では、一つの方法に固執せず、患者さんにあった治療法を探し出し、お勧めするよう心懸けています。

なお、かつて次亜塩素酸を使用した「パーフェクトペリオ」という商品を使用した歯周病治療がTBS系列で放映され、一時話題になりました。
しかし、現在同製品は製造が中止され、医療用器具としての認可を得るための申請中です。
日本歯周病学会のホームページに、この方法に関する以下のような公式見解が発表されています。

「研究途上の段階で科学的根拠が十分であるとはいえず、日本歯周病学会としては安全性や有効性について学術的な場で充分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきであると考える。」

パーフェクトペリオは高額機器(数百万円)のため、その分治療費が高くなってしまいます。
当院では従来から、それほど高額でない機器(数十万円)を選び、
・ 次亜塩素酸を含む安全性の確立された弱酸性の低濃度機能水は
・ 次亜塩素酸を含むアルカリ性~中性の高濃度機能水
・ オゾン水
を併用し、治療に応用しています。

基本は毎日の自己管理(歯磨き)

歯周病 歯磨き正しく時間をかけた歯磨き無しでは、歯周病の治療は成り立ちません。

正しい歯磨きは、専門家による継続的な指導管理の下でのみ、可能となります。

自己流で時間をかけて磨くと、殆どの方が歯ぐきを傷つけ、逆にお口の中の環境を悪化させてしまいます。
最近『知覚過敏』に効く、と言う歯磨き粉が次々販売されるようになりました。
これは、歯磨きの重要性が認知され、一生懸命歯を磨く方が増えているものの、自己流で磨いているため、知覚過敏の方が増えていることが原因です。

忘れてはならない、食生活の改善:食育指導

歯周病 食育 食事指導 栄養近年、若年者の重症歯周病患者さんが、多数来院されます。
それらの方の多くは、生活習慣・食生活に問題がある場合が多いようです。
特に、食生活が乱れていると、治療を行っても良い結果が得られない場合が多く、食生活の改善なくしては、治療が成り立たないと言っても過言でありません。

食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることを、『食育』といいます。
四日市さくら総合歯科では、より多くの患者さんに良好な治療結果を提供するため、精密な多周波数分析ができる高精度体成分分析装置で皆様の健康状態を調査し、食事調査と併せて管理栄養士または健康管理士が、食事に関する指導も行います。

免疫力アップ

歯周病は細菌によって引き起こされる病気です。
若くして歯周病になる方は、免疫力が弱いと考えられます。

四日市さくら総合歯科では、腸内細菌の状態や血液検査・有機酸検査の実施・体組成3D解析装置・AGE測定器・体成分分析装置による計測などを行った上で、不足した栄養素の補給・腸内環境の改善等を行い、効率的な免疫力アップを図る方法も採用しています。

歯周病の大敵、喫煙

禁煙指導喫煙は歯周病にとって大敵です。
たばこを吸っている方の歯周病を治すことは、極めて困難です。
ある著名な先生は

『歯周病の治療は禁煙指導から』

と仰っておられました。
近年禁煙の成功率が高い薬が発売されました。
禁煙外来を行っている内科等に相談されることをお勧めいたします。

歯周病菌の検査を行います

歯周病と診断された患者さんには、歯周病細菌の検査を行います。

歯周病 細菌 三重当院では、下記の検査を行っています。
検査の結果、歯周病の悪玉菌が検出された場合、あるいは患者さんが希望される場合に、歯周病の薬物療法(歯周内科)を行います。

位相差顕微鏡検査

位相差顕微鏡で、患者さんの歯の周囲に付着しているバイ菌の傾向を把握します。
ただし、顕微鏡で見た細菌は、細菌学の専門家でも、それが何という名前のバイ菌か、判別できないそうです。
従って、顕微鏡観察だけで歯周病細菌をコントロールできたか、正確に判断は出来ません。

ただ、らせん状の細菌(トレポネーマ)が多く存在する場合は、歯周病菌が多く存在する可能性が高いので、この菌の量を指標として歯周病菌の量を推測することは可能な場合があります。

低精度歯周病菌検査

歯周病が疑われる方で、正確な診断を望まれる方には、歯周病の悪玉菌が存在するかどうかを、ある程度の精度で調べることの出来る検査を行います。

院内で検査しますので、結果が短時間でわかり、費用も安価です。

ただ、後述する検査のように、どの細菌がどのくらいの割合で存在するかはわかりません。

高精度歯周病菌検査

検査所に外注して行う方法で、バイ菌のDNAを分析する検査で、『PCR法』と呼ばれています。
どのバイ菌がどのくらい存在するか、正確にわかります。

当院で検査可能な細菌は最も悪性度の高い3種の歯周病菌(Red Complex)
・P.g菌、T.f菌、T.d菌
と、その他の歯周病菌のうち
・A.a菌、F.n菌、P.i菌
を検査可能です。

より効果の高い薬物療法を行いたい方、再生療法を行いたい方等、より確実な予後(良い状態が長く続くこと)を望まれる方に、お勧めしています。
さくら総合歯科では、今まで行われてきた同種検査より安価な費用で行っていますが、他の検査に比べて若干高いのが欠点です。

歯周病菌検査オプション

代表的な歯周病菌として以前から注目されているのがP.gと呼ばれる歯周病菌です。
この菌が様々な悪影響を人体に及ぼすことが解明されつつあります。
このP.g菌には線毛と呼ばれる毛のようなものが存在しています。
その線毛にはFimAとMfalという2種類が存在し、そのうちFimA線毛のタンパク質にはいくつかの種類があることがわかってきました。
現在ではfimA遺伝子に6つの型があることがわかっており、その中でもⅡ型のfimAが重度歯周病から検出されることが多いようです。

四日市さくら総合歯科では、全体的に重症の歯周病患者さんにはこの検査をお勧めする場合があります。

ついてしまった歯石はとる必要があります

かつて、歯石を取れば歯周病が治る、と考えられていました。
しかし繰り返し歯石を取っても、歯周病は治らないことがわかってきました。
歯周病の原因は、現在ではバイオフィルムと呼ばれるバイ菌の塊が原因であることがわかってきました。

ただ、歯石がついていることにより、このバイオフィルムが滞りやすくなります。
バイ菌達は、歯石を足場として住みついています。
従って、足場をなくすことを目的として歯石を取ることは、重要な治療の一つです。

ただし一度除去した後、再びつかないよう、自己管理と専門家による管理が必要です。

歯周病が進行している場合は、手術や薬を使用する場合があります

中等度以上、特に重症歯周病の場合、自己管理の不可能な部分(深い歯周ポケット)ができてしまいます。
その結果、どんなに歯磨きを頑張り、かつ専門家による治療を受けても歯周病が悪化してしまいます。
歯周病治療先進国の北欧では、歯石を取った後に歯周ポケットの深さが7ミリ以上の歯は、手術をするか、抜歯をするかの何れかになるそうです。

三重県 四日市 鈴鹿 いなべ 桑名 亀山当院では、歯周病が進行した方でも安心して食事が出来るよう、特殊な手術も行っています。

手術は避けたい、という方のためには、特殊な薬を使用した「歯周内科」療法も可能です。

自己管理できない部分を、専門家が定期的にケアします

ご自身でどんなに頑張って歯磨きをしても、ある程度汚れ(バイ菌)が残ってしまいます。
いつも同じところが磨けないので、その部分に歯周病の原因となる悪玉菌が増え始めます。
悪玉菌が大幅に増える前に、専門家(歯科衛生士)による、専用器具を使用したクリーニング、歯科医師によるかみ合わせのコントロール等、定期的なケアが必須と言われています。


さくら総合歯科の歯周病治療方針

適材適所・臨機応変

歯周病 治療方針 パパとママ歯周病の治療は、先に述べたように、真剣に取り組んだ歯科医師ほど、その難しさを痛感します。
当院では、院長が開業前から歯周病治療に取り組んでおり、その経験に基づいて、様々な治療法から最適と思われる治療法を、提示させていただきます。

うけねらいの治療ではなく、患者さんのご要望に応える治療

歯周病の治療は、自己管理(歯磨き・生活習慣管理)について、患者さんにとってはありがたいとは言えない内容でも、必要なことはきっちり説明致します。

うけねらいの治療は簡単で、増患にもつながりますが、当院では、あくまで患者さんのお口の健康維持を第一に考えた診療方針を貫きます。

CTを使用して診断

多くの歯科医院で使用されているCTは、インプラント診断には適しているものの、歯周病診断には適していないと言われています。
歯周病治療の必要な方の多くのお口の中には、金属を使用した治療が行われています。
金属を使用して治療された歯の周辺には、

「アーチファクト」(実際の物体ではない二次的に発生した画像)

が発生します。
その結果、歯の周辺に実際には骨があるにもかかわらず、骨がなくなってしまったように写る場合があります。
当院で採用したCTは、このアーチファクトが非常に起こりにくい再構成技術を使用しておりますので、歯周病の診断に適しています。

希望される方には、時間をかけて詳細に説明を致します

歯周病 治療 手術 説明当院の治療法は複雑多岐にわたり、その必要性は短時間ではとても説明しきれません。

ご希望される方には、1時間以上かけて詳細な説明を行います。
(ただし、院長多忙につき水曜の当院が指定した日のみ。)


歯周病治療のバリエーション

一般的な治療

保険で行われている治療法です。

主に、検査・歯磨き指導・歯石取り、病状安定した歯周組織を維持するための治療(クリーニング)で構成されます。

薬を使う方法(歯周内科)

歯周病は薬で治る?

歯周病 薬で治る 歯周内科皆様は『治る』というと、どのような状態を想像されるでしょうか?

例えば、ガンという病気を例に取ると、『ガンが治った』=『ガン病変が消失した状態』といえます。
もし『ガンが残っているが、進行が遅くしばらくは生存できる状態』であるならば、それを『治った』とは言いません。

歯周病に対し薬を使用すると、一旦バイ菌が大幅に減少し、症状が安定します。
しかし、残念ながら悪いバイ菌が完全に存在しなくなる場合は少なく、『歯周病菌の数が大幅に減ることにより、進行が遅くなる』、または『歯周病が一旦停止する』だけなのです。

従って、『歯周病は薬で治る』というのは的確ではなく、『歯周病は薬で大幅な延命が可能になる場合がある』というのが的確である、と思います。(学会は現在のところ、この方法を概ね否定しています。)
ただし、上手く他の方法と併用しながら行えば、有効な方法だと考えています。

国際歯周内科学研究会が推進している歯周内科は、アジスロマイシンという抗生物質と、抗真菌剤の併用法です。
真菌(カビ)は歯周病の直接的原因ではありませんが、真菌が存在すると歯周病菌が細胞に3倍取り込まれやすくなる、という基礎研究があります。
実際、抗真菌剤の使用により、歯周病の症状が明らかに改善される場合があるのも事実です。
抗真菌剤の歯周病治療のための使用は、歯周病学会が否定しているものの、当院では限られた重症歯周病の方に行っています。
歯周内科は保険診療では認められておらず、原則自費単独診療です。

ただ、歯ぐきに強い炎症がある場合、アジスロマイシンを処方することは可能で、結果的に歯周内科と全く同じ効果が得られます。
抗真菌剤は保険適応外ですので、代わりに抗真菌作用のある特殊な液体歯磨き剤を使用します。
この歯磨剤は、もともと肉類腐敗防止剤の目的で食品として開発されたもので、人体に安全な天然成分だけで作られています。
従って、安心してご使用いただけます。
医薬品ではないので真菌に効く、という医学的データはありませんが、使用した歯科医師の多くは、『歯周病が改善したはっきりとした感触がある』と言われます。

歯周内科一方、当院では、薬を使った治療を手がけている多くの歯科医院より、さらにこだわった歯周内科療法にも取り組み、効果を上げています。
(この方法は、精度の高い検査をした上で行う方法で、学会でも認められた方法です。)  

歯周内科治療を行った場合、注意しなければならないのは、他人よりの歯周病菌再感染です。
若年者~中年の方は、夫婦間感染などにも注意しなければなりません。
歯周内科治療は、夫婦共々行う必要があります。
夫婦揃って治療を受けることは、お子様への歯周病菌感染にもつながります。

また、一旦減少した細菌が元に戻らないよう、セルフケア(歯磨きなど)と定期的なプロフェッショナルケア(歯科医院での処置)を励行するよう心懸けなければなりません。

サプリメントによる歯周病治療支援

特殊なサプリメントを使用すると、歯周病菌を減少させることが出来ることが分かっています。

また、他にも免疫力をアップするサプリメントや漢方系健康食品、抗酸化作用を有するサプリメントによって、歯周病治療の効果を向上させることが可能です。

当院では、基本的な歯周病治療に加えて、様々なサプリメントを歯周病治療支援の目的で、ご紹介しております。

歯周病の手術(歯周外科)

進行した歯周病治療の王道は、「歯周外科(歯周病の手術)」です。
学会で発表される症例のほとんどは、手術が行われています。
また、学会の認定医になるためには、数多くの手術を行った治療例を提示しなければなりません。
つまり、歯周病が進行してしまったら、多くの場合手術をしなければ治らないのです。

中等度以上の歯周病にかかった歯は、多くの場合歯石取りを行った後も深い歯周ポケットが残ってしまいます。
そこには、再び悪玉菌が増殖してしまい、たとえ定期的にクリーニング(PMTC)を行ったとしても、多くの場合短期間のうちに歯周病が再発します。

深い歯周ポケットが残っていても、自己管理や專門家による管理、生活習慣の管理等を徹底すれば、長期的に進行を防ぐことが出来る場合もあります。

しかし、確率高く歯周病の再発を防ぐためには、手術が必要です。

ただ、従来から行われている手術を行っても、再発するケースが多くみられます。
さくら総合歯科では、最新の手術を行うことにより、歯周組織を歯周病が再発しにくい状態に改善するよう、努力しています。(希望される患者さんのみ)

再生療法

歯周病でなくなった骨を、手術によりある程度取り戻そうとする方法です。

切除療法

歯周病ででこぼこになった骨を、綺麗に整形することにより、長持ちする状態に改善する方法です。
(何れも自費診療)

「手術なんて、痛そ~」とお思いの方、心配は無用です。
さくら総合歯科の手術は、痛くありません。

FMD

歯周病細菌を一度にまとめて大幅に除去してしまうことにより、治療成績を向上させよう、という方法です。(自費診療)

3DS

歯を徹底的にクリーニングした後でも、歯の表面を電子顕微鏡で見るとたくさんの細菌が残っています。
そこでさらに、ある消毒薬をクリーニング直後に歯の表面へ作用させると、それが細菌を直撃し、残ったバイ菌の多くを死滅させることが出来ます。

歯の表面に一定時間・一定濃度の消毒薬を効果的に作用させるために、各個人の歯にあった『ドラッグリテイナー』と呼ばれる物を作ります。
その中に専用の消毒薬を流し込んで、上下の歯に装着します。

この方法を、3DS (Dental Drug Delivery System の略) と呼びます。

従来の3DSはどちらかといえばむし歯予防を目的としていましたが、近年歯周病治療や予防、菌血症(血管に歯周病菌が侵入すること)の予防にも応用されています。

また、当院では最近国内で販売を開始された「歯周病による病的口臭を抑えると共に、歯周病治療を支援する口腔化粧品」を併用する新しい方法により、歯周病予防・治療にも対応しています。(自費診療)

光殺菌療法 aPDT

特殊な青い色素を歯周ポケット内に注入し、そこに強い光を当てることにより活性酸素を発生させ、その力で歯周ポケット内の殺菌を行う方法です。
歯周ポケットは体内でなく体外であるので、活性酸素が人体に影響を及ぼすことはなく、安全に殺菌が行える優れた方法です。

光殺菌は単独で行うのではなく、歯周基本治療の後や手術中に使用することにより、優れた効果を発揮します。

機能水の使用

次亜水やオゾン水とよばれる殺菌力の高い水を使用して、歯周病菌を殺菌する方法です。
この方法も単独での使用では効果が少なく、歯周基本治療中や後に併用すると、高い効果が得られると言われています。

次亜水を自宅でのうがい用に販売している場合もありますが、長期連用に対する安全性の検証は十分ではなく、また菌交代現象を起こす可能性もあるのでお勧めできません。
歯科医院での治療に短期間で効果的に使用するべき方法です。

口臭用品の応用

口臭対策用口腔化粧品として販売されている商品の中に、安定化二酸化塩素を含むものがあります。
もともと口臭を発生する嫌気性菌(酸素が嫌いな細菌)を抑制する目的で開発されたのもですが、同様に嫌気性菌である歯周病菌にも抑制的に働きます。

それにより歯周病の進行をマイルドに抑制することが出来るのではないか、と考えられています。

歯周補綴・インプラント・コーヌス義歯

重症の歯周病や、既に失った歯がある方は、『歯周補綴』と呼ばれる処置、インプラント、残った歯に負担のかかりにくいコーヌス義歯などの治療が必要になる場合があります。(自費診療)


附録:メインテナンスとSPT

一人歩きした『メインテナンス』

数年前より、歯周病は『メインテナンス』と呼ばれる処置(クリーニング)で克服出来ると考えられ、実践する歯科医院が増えてきました。
しかし実際は、一般的な治療を受けただけの患者さんに対し、クリーニングを行っただけでは歯周病が進行してしまうことがわかってきました。

そこで、近年では『メインテナンス』という用語を、次の二つの用語に分けて考えるようになりました。

メインテナンス 病状安定 SPT PMTC・ SPT(Supportive Periodontal Therapy)
・ メインテナンス

なお、もともとメインテナンスとは、

『患者本人が行うセルフケア(ホームケア)と歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケア(専門的ケア)からなる』

と定義づけられており、歯科医院でクリーニングさえ受ければよい、というのは誤りです。

SPTとメインテナンスの違い

SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)とは?

病状安定した歯周組織を、なるべく維持するための治療のことをいいます。

専門的には、下記のように定義されています。

「歯周基本治療、歯周外科治療、修復・補綴治療により病状安定となった歯周組織を維持するための治療。
プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、咬合調整などの治療が主体となる。」

この定義より、クリーニングだけ行うのでは不十分なことがわかります。

メインテナンスとは?

治癒した歯周組織の健康管理のことをいいます。

軽症で手術を必要としない方、中等度以上で高度な手術を受けられた方は、歯周病が『治った』といえる状態になります。
この様な方が定期的・継続的に受ける予防的処置を、メインテナンスと呼びます。


お問い合わせ

通院中以外の方のお問い合わせは、さくら総合歯科Facebookのメッセンジャーにてお願い致します。
通院中の方は、お電話でお願い致します。
お電話は、必ず月曜から土曜(休診日を除く)の午前中にお願い致します。
icon 電話番号059-326-0054


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